11月29日
 今回は非常に快適な出足だ。弱点の左膝は少しだけ痛い時があるが、前回とは比べものにならない。重いがテントを持参したのも寝るときの安心感が違う。今のところ困っているのはPHSの電池が切れかかっているぐらいだ。携帯電話のように市販電池で充電できればいいのにPHSは100Vの電源が必要なのだ。
 
三角寺の山門。ここも紅葉が綺麗。 カラフルな番外札所常福寺の「おさわり地蔵」自分の体の悪いところをさわると病が治るそうだ。

 遍路中、あまりにもチョコレートや飴などを口にすることが多いので飴などを廃棄した。砂糖類は食物の陰陽の法則で超陰性の食べものなので体を冷やし、動きを鈍くし、体力の回復が遅くなるからだ。これからは陽性になるように甘い物を控えて自然塩をなめよう。
 伊予三島のコインランドリーで洗濯し、バスの停留所でテントを張る。テントに朝露がつくので屋根があるところがいい。
 本日43000歩29km
 

バス停を占拠しました。

11月30日
 朝の気温は6度。狭いバス停でテントを張ったので端に露がついている。耳栓はしていたが愛媛と徳島をつなぐ国道は音がうるさいので瞑想はやらなかった(毎晩瞑想をしているのである)。
 札所中最も標高の高い雲辺寺(830m)の昇り降りで一日が終わった。寺では何か大きな物を建てる予定らしく「目標金額2億円」と書いてあった。お寺なのに一企業みたいだ。あっちこっちで工事していてこれではいくらお金があっても足りないだろう。だからなのか、あちこちに「あなたの厄年はこうです。厄払いは当山で」や開運関連のろうそくやお守りなどが目立つように積極的に並べてあった。
 山を降りはじめて1時間、大師堂に金剛杖を忘れたのをおもいだした。遍路にとって杖はお大師様なので、重要なもの。しかし1時間も下ってきている。「これはあきらめることを学ぶ試練だな」とおもいあきらめた。だって金剛杖はお遍路が持って初めて金剛杖となる。杖よりも大事なのは私自身なのであるから。ちょうど最後の一番高いお寺であったし、大師堂に置き忘れたのならもはや未練はあるまい。今では、お大師様に「自由になったおまえにはもう墓標は必要あるまい」と金剛杖があることを忘れさせてくれたのだと解釈している。(金剛杖は伊予桜井駅で出会った歩きの人が言っていたが、いつ死んでもいいようにそれに戒名を書いてもらって墓標として、白衣にするのは死に装束として着るのであって、いつでも死ぬ覚悟ができているぞという証だったそうだ)
 次の大興寺で野宿する場所を提供して頂いた。テントを張っても良かったが、寝袋だけで寝るのにちょうど良い台があったのでテントを張らなかった。
 ここへの途中にスーパーや食堂がなかったので一日中乾パンなどの携帯食料だった。だからか、お寺の納経所のおばあちゃんにもらった柿が実においしかった。
 今日は一番高いお寺に登ったにもかかわらず疲労が少なかった。それは昨日持っていた飴を全部山に捨てて(中身だけ)砂糖分をとることを止めたからではないのかと思う。作戦成功である。
 
丁石の説明 台が広くてとても嬉しい。

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